Vespa

日本人もみんな大好き!スクーターのベスパ

日本人がこのベスパというスクーターを知るきっかけとなったのが映画「ローマの休日」でしょう。
この映画の中で印象的なシーンとなっている、王女と記者がバイクに乗ってローマの観光地を巡るシーン、このシーンで利用されたのがVespaでした。

この映画が日本で公開されると主役のオードリー・ヘプバーンのキュートさ、美しさとともに、この素敵なバイクは一体何?と一気にVespa人気が高まったのです。
さらにこのローマの休日という映画を知らない人でも、Vespaを知る事になった要因に、探偵物語という不動の名作といわれるドラマに、Vespaが登場したといういことが挙げられます。

このドラマは若い人がかじりついてみていたといわれているほどにおしゃれで、この時代のトレンドともいえる位にファッショナブルなドラマだったのです。
ここにVespaが登場し、ドラマに探偵役として登場した名優松田優作の印象をより強めたのです。

1946年、イタリアで生まれた希望の星

戦争が終わり、イタリア中が戦争の傷跡から立ち直れずにいた時、このVespaというスクーターが登場したことで、イタリアの技術は誇らしいものであると、復興、経済成長について大いに役立ったのがこのスクーターです。

航空機、鉄道車両を作っていたイタリアのピアジオ社が作ったこのバイクは、当時この企業の代表だったエンリコ・ピアジオによってその設計に条件が課せられていました。
一つは軽くて取り扱いが容易なこと、サドルをまたがなくても乗れること、女性が乗りやすいこと、衣類が汚れないこと、以上の4点です。

この条件ンをかなえたのが設計転倒のガスカニオという技師でした。
Vespaの特徴的なスチールモノコックボディは、軽量で合成が強く丈夫、取り扱いも本当に軽くて簡単というものだったのです。

取り扱いが楽ということで、女性にも楽に乗れるバイクとなりましたし、衣服ヤシ元を守るコンパートメントを付けたことで、衣服を汚さないという条件についてもマッチしました。
見事な設計となったこのVespaには、航空機を作っていた技術がしっかり入っており、この点も大きな魅力となっています。

フロントのサスにはタイヤ取り外しが簡単にできる片持ちフロントサスペンションが利用されています。
航空機の前輪タイヤに利用されている方式だったこの方法を用い、4つのボルトを脱着するのみで、タイヤを変える事が出来るという画期的な物でした。

この他にもダイレクトトランスミッション、スモールモノコックボディーなどの技術が各所に利用されている、他に類をみない最高のバイクだったのです。

Vespaは今でも高い人気を誇っている

Vespaはその後、50ccから200cc、スポーツモデルまで作られるようになり、世界114か国で販売されている人気スクーターです。

1950年代の後半からVespaのビンテージが販売され始め、現代の現行モデルまで高い人気を博しているのがVespaであり、この先もVespaは男女、また幅広い年齢層の方々に愛され続けるスクーターで「あり続ける」でしょう。